ウエディングプランナーとして理解しておきたい和製英語 衣裳編

ウエディングプランナーは日本人のお客様に限らず、外国からお越しになられたお客様にも対応する機会があります。
最近は国際化が進み、そうした機会も以前よりさらに増えてきています。
ウエディングプランナーはお客様にサービスを提供するサービス業のスタッフでもあり、お客様に営業提案を行う立場の仕事を行うスタッフでもあります。
いずれにせよ、外国人のお客様とのコミュニケーションが求められる立場の人間であり、その分野のプロフェッショナルとしてサービスの提供ができるよう、可能であれば留学などを経験して、世界共通語とされる英語でのコミュニケーションはできるようになりたいものです。
しかし、会社が留学支援制度でも設けていないかぎり、ウエディングプランナーとして働きながら留学の機会を得ることは容易ではありません。
ここでは、ウエディングプランナーが外国人のお客様とコミュニケーションをとる際に、恥ずかしい思いをしないよう最低限知っておきたい「間違いやすい和製英語」をピックアップしていきたいと思っています。
今回は前回に引き続き「衣裳編」について見ていきたいと思っています。
●衣裳編 続き
・スリーサイズ
「スリーサイズ」は完全に日本で市民権を得た単語でしょう。
これも老若男女を問わずよく知られた言葉です。
しかし、外国人の方の前で「スリーサイズ」と言っても、不思議そうな顔をされるでしょう。
これも和製英語です。
英語では、
measurements
proportions
という単語が当てはまります。
日本では「スリーサイズ」は、「胸囲・腰回り・お尻」の3つを指しますね。
「スリーサイズ」を「胸囲・腰回り・お尻」と言う日本人は少ないでしょう。通常「バスト(チェスト)・ウエスト・ヒップ」と言うと思います。
英語圏でも、
bust waist hip
を計りますし、その表現自体は
日本と一緒(「バスト・ウエスト・ヒップ」)
です。
そのため、「スリーサイズ」も外国で通じる言葉のように勘違いしてしまいそうですが、「スリーサイズ」だけは和製英語である事を注意しましょう。
・ノースリーブ
「ノースリーブ」のドレスは結婚式でも手配をする事がおそらくあるでしょう。
そのため、ウエディングプランナーは外国人のお客様とやり取りする際にこれが和製英語である事をしっかりと理解しておく必要があります。
「ノースリーブ」は日本では袖丈の無い服の事を指しますが、
英語ではこれを、
Sleeveless
と言います。
no-sleeve でも全く通じないという事はないかもしれません。何とか解釈は可能ではありますが、少なくとも一般的な表現ではないですし、相手に理解を求めなくてはならない表現です。
せっかく sleeveless という的確な表現があるのですから、しっかりと覚えましょう。
ちなみに、結婚式の場でスッピンで登場する新婦さんは少ないと思いますが、表現として使うかもしれないので、和製英語の「ノー○○○」仲間として、「ノーメイク」も和製英語である事も知っておいて良いと思います。
日本語で言う「ノーメイク」は、化粧(make-up)をしていない、スッピンの状態を指す言い方ですが、
英語では
non make up 、または
without make up
のように表現します。
no+make の語を用いた表現としては、
wearing no make-up
(否定語 no を伴う肯定形の表現 )があります。
また、英語では、
make-up
を略して
「メイク」とはいいません。
そのため、「ノーメイク」は完全な和製英語と言えるでしょう。
あ、「ノーネクタイ(ノータイ)」も同様に和製英語ですよ。こちらも気をつけて下さいね。
・ワイシャツ
「ワイシャツ」はもう日本人のどの世代に聞いても、
「男性の背広の下に着用する、前開きで、ボタンと襟とカフスがついているシャツ」
をイメージすると思います。
疑いようがなく、「ワイシャツ」は「ワイシャツ」です。もしくは、「ワイシャツ=カッターシャツ」です。
この「ワイシャツ」、そして「カッターシャツ」も両方とも和製英語です。
英語では、
Dress shirts  もしくは
shirts
と表現します。
実は「ワイシャツ」の語源は英語の white shirts である、と言われています。それが日本で訛って「ワイシャツ」という表現になった、と言われています。
そのため、「ワイシャツ」を「Yシャツ」と表現するのも日本特有の不思議な変化です。日本国内で white shirts は「ワイシャツ」として完全に定着し、その後日本語の略語表現として「Yシャツ」へと派生しているので非常に面白い変化を遂げていると思います。その上、本来は white の shirtsを「ワイシャツ」と呼んでいたのに、今ではカラーストライプも、ブルーもピンクもみんな「ワイシャツ」なのですから、完全に日本語として定着している、と考えて良いでしょう。
もう一つ面白いのが、「カッターシャツ」です。
こちらも
cutters shirts
のように何か英語のように聞こえますし、何か職人が着るような服に聞こえない事もないのですが、実は「カッターシャツ」の由来は、1918年に洋服メーカーのミズノが発売したスポーツ用シャツの商品名です。
第一次世界大戦で「勝った」ことからつけられた商品名と言われており、現在は一般名詞化したものだそうです。
しかし、英語表現としては双方通じません。気をつけましょう。
・マジックテープ
「マジックテープ」は日本では本来の呼称である「面ファスナー」より一般的かもしれません。
「面ファスナー」と聞いて「あぁ、マジックテープのことね」とイメージ出来る方のほうが少ないかもしれません。
「面ファスナー」を辞書で調べると、
「布に特殊な加工をし、主に衣類用に、再び脱着可能な状態で結合したい場合に用いられる」もの、
「面ファスナー(めんファスナー)は、面的に着脱できるファスナーである。布に特殊な加工をし、主に衣類用に、再び脱着可能な状態で結合したい場合に用いられる」
とあります。
「マジックテープ」というのは、株式会社クラレ さんの登録商標名なのです。
それほど一般にその名が知れ渡り、世間に普及している、ということの表れですね。
これは和製英語というのかどう考えれば良いのかわかりませんが、少なくとも英語の一般名称ではありません。
英語では、「面ファスナー」を
velcro tape
と言います。
しかし、服に使用されている「面ファスナー」がクラレさんの製品であれば、それは「マジックテープ」で間違いありません。
言葉として、間違った表現ではないかもしれませんが、外国人の方にも伝わるように Velcro tape と言ってあげるほうが良いかもしれません。
しかし、日本の製品力と文化を伝える上で日本人の多くはこれを「マジックテープ」と言うのですよ、と教えてあげても良いかもしれませんね。
ちなみに同じ「テープ」繋がりで、「セロテープ」がありますが、これも株式会社ニチバンさんの登録商標名なのです。
セロテープ(Sellotape / cellotape)はセロファンを素材にした粘着テープ (cellophane tape)のことですが、これは元々イギリスで1937年に商品化されたもので、セロテープ社の商標登録とされています。
この手の商品は一般的に Sellotape として認知されています。商標登録するために、cellophane の c を S に変更しているそうです。
アメリカでは一般的に scotch tape(スコッチテープ)と呼ばれています。これは、3M 社の登録商標です。
イギリスでも、アメリカでも、日本でも、それぞれ企業の登録商標が通称の名称になっているのは何だか不思議ですね。
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